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地中海を隔てて

学部生の子たちと話す機会が最近あって、みんなアルバイトやら就職活動やら車の免許やらと学業を必死で両立させていて、大変な中にも家族サービス(って会社勤めのお父さんが休日にやるものだったような気がする昔は)をしようと思ってる、なんて会話を聞いているとエラいのを通り越して何だかそのけなげさが気の毒になって泣けてきたのですが、誰かがタージ・マハルの大きな写真を持ち出してきたところからルーブル美術館に行ってみたいとかいう話になって、行動派らしい女の子の一人は学生の身ながら単身ルーブル美術館へも行ってきたらしく、次はイタリアに行きたい!と語るのですが、ちょうどイタリアで大きな地震があってたくさんの被害が出たことが話題になり、心配ですよねー大丈夫かなーとかいう雰囲気になり、本当に何といういい子たちか!と舌を巻いていたのです。私が学部生のころいた大学の惨めったらしさとはえらい違いで、違和感でものすごく疲れたんですが、

ここの大学に移ってきてからというもの、セム系言語をやってる人が多数を占めているにも関わらず、研究室内で中東情勢の話っていちども聞いたことがない。パレスチナの惨状もイラクの惨状も、遠くパキスタンの政情不安などは言うにおよばず。別にそれらについて熱く語られても意見があうとはとても思えないので語らなくていいのですが、彼らはそういう、自分たちと同時代に起こっていることについて(恐らくはナイーブな議論をよんでしまうことへの忌避感から)研究室のような微妙な場所では語りたがらないということではないのだな、ということに今回気付いたわけです。これは、何だ?

ナイーブな議論というのはお互いに気を使うことになり、なぜ気を使わなければならないかというと他人と根本的に意見があわない可能性があるということであり、その逆にイタリアであった天災についてはお互い心配だよねーうんうん、と頷き合えるということなんでしょうが、確かにイタリアっていうと日本でも親しみがあるけど中東ってよくわかんないよねいつも戦争してるしイスラム教って意味わかんないし。でも一応中東の勉強をしてるんじゃなかったのか!?と激しく違和感を感じたのも確かで、これが例えばヨーロッパの戦争、とか中東の天災、になったらどうなるんだろうとかあれこれ考えてしまいどっと疲れました。昔のことをやるのと今の問題を扱うのでは根本的に違うといいたいのかなあ…史学科ではよく言われることではあるけれど…しかしヨーロッパとイスラム圏(というのも問題がある定義ですが)が地中海をはさんでいるだけの距離で全然違うというのはそうかもしれんけど、何で地球の裏側のムスリムでもクリスチャンでもない日本人がその世界観を共有(誰とだ?)する必要があるというのだろうなあ…ぐ、グローバリズム?誰の?

なんにしても脱力感を誘われます。

# by mloulou | 2009-04-29 18:10 | 日記

『マッピー』用ボーダー

金井美恵子/目白雑録3

目白雑録 3

金井 美恵子 / 朝日新聞出版



猫が好きなのかと聞かれたら好きって答えるだろうし、実家には猫がいるけど、猫の話が苦手で、吾輩は猫であるも怖くて読めなかったくらいで、たとえば笙野頼子も猫にまつわる話はけっこう読むのに気力が必要だったりします。だいたい動物全般にかかわる話が苦手で、動物の写真集とか買う人の気持ちがわからない!っていう 人間だったら殺されても死んでてもべつに平気なくせに そういうところが自分でも頭悪い感じがして嫌でたまらないのですが、

しかしトラーの死にまつわる金井美恵子のアレコレの文章というのは、徹底してトラーという一匹の猫と書き手の間の距離みたいなものを保っていて、あれだけトラーを姉妹揃って馬鹿可愛がりしていたにもかかわらず、そういうところがああやっぱり金井美恵子だなとホッとしたりもして、普通に読めたのはありがたかったです。なんかこう、金井美恵子の猫に対する書き方は、高貴な他者に対する距離感と敬意みたいなのを持っていて、彼女の書く空間の中に彼女からは測りかねるトラーのまなざしの部分の輪郭だけがすっぽり空白になっているような気持のよさがあり、チキンな読み手としてはその節度みたいなのに安心したりします。猫にまつわる話っていうのは本当に地雷原というか、トラ猫ミセス・マーフィーシリーズのヒロイン猫の保護者たるハリーの性格をよく表してる一言じゃないけど「これ以上の感情の発露には耐えられないわ」です。

何しろ近ごろ顔をあわせるたびに教師にできるでしょやれるでしょどうするのこれからと言われ続けて精神的に胃が消化不良なのでまだ読み込む気になれないでいるのですが、パラパラとめくってみて面白かったのは「ガットゥーゾだったら顔面にあたっていたね」でしょうか。サッカーを観る喜びとW杯にまつわる言説のげんなりするような「男根」ぶりの対比というか、サッカーはルールも知らないし面白いと思ったことが一度もないのですが、最後まで読むとそうか、面白いサッカーは観ると大変面白いのかもしれない、と思ったりしましたが、どうせスカパーに入らないと観れないんだしそもそも下宿にテレビすら無いし諦めましたけど、そんな私でも、いきり立って何かを声高に喋るのと、その傍を走り抜けていくようなオトコノコの軽やかさの相違というのは何となく経験したことがあるような気がして、そういう軽やかさにまた出逢うことがないかなーと思いつつ、大学という場所ほどそういうものから遠いところもないような気がします。

# by mloulou | 2009-04-26 16:44 | 読書

『マッピー』用ボーダー

「好きなものは好き」とか

言うのは食い物の趣味くらいにしてほしい。

半年ボーっと本を読んだり考え事したり寝たりしてるうちにリーマン・ショックでサブプライム!で内定取り消しとか、あーあー今年の四回生は大変だろうなーかわいそうにねと思いながらつらつらネットのニュースをみていてふとわが身を振り返ってみると完全に身動きがとれなくなっているわけです。ありがち。仕方なく大学に出かけてみると半年の間にこっちの頭が多少クールダウンしたのか、上の院生の言ってることや教師の言ってることのパターンがなんとなくわかってきたような気がして…だからって楽になるわけでもなく…

以前ネットの掲示板で「史学科はダサいしモテないしオタクくさくて嫌だ」みたいな文章を読んだことがあって、どういう人が書いてるのか当然わからないしどういう学部ならモテるのかもよくわからなかったんですが、少なくともダサくてオタクなのはまったくそのとおりなんじゃないかとしみじみ思ったりします。学校にいるとね。今いる大学の人はみんなチェックのネルシャツも着ていないし萌え系アニメも観そうにないし(私は観ますが好きですが)自分の学歴にコンプレックスを持つほど偏差値も低くないし彼女がいてもおかしくなさそうだけど、絶望的にオタク発想なんだよねという。

それが、「好きなものを好きなようにやればいいんじゃない?」っていう言い方。

これじゃあ、歴史なんて過去ばっかり見て現実を見ない学問だから無くてもいいんじゃない的なありがちな批判というか中傷に対してまったくもってそのとおりですって言ってるようなものだよ。自分の興味のある地域や時代や分野を楽しそうにほじくり返してこれもあれもって言うのが歴史学なんだったらそんなオタクどもはお互いで勝手にやればいいのであってどっか余所でやってくれ。歴史学なんていらねえよ。そんな学問この世から消えてしまえ。

どうも、小さい頃から歴史が好きだった分、過去の、往々にして死人に口なし状態な他人の事柄についてあれこれつつきまわして楽しむという行為に対する後ろめたさが拭い難くあり、役に立つとか意味があるとかはともかくも、学問でなければならないだろうとは思っていたのですが、なんかあれだねー、そういう葛藤をどこかで投げ捨ててきたのかそれとも気付かずに生きて来たのかしらないけど、それで研究者って言われるとなんか…ああ、そうですか、お邪魔しました!みたいな。この気持ち悪さをどう表現したらいいんだろうもうちょっと考えます。もっと勉強してくる。











# by mloulou | 2009-04-25 16:12 | 日記

『マッピー』用ボーダー

やれやれ…

ペシャワール会の日本人スタッフ殺害の報を聞いて、会報でたびたび名前を拝見していた方だっただけに、けっこうかなりショックだったのですが、それにもまして、ネットに流れているニュースの無知具合にあきれ果ててこりゃあ下宿にいてテレビを見ないですんでよかったと思っています。実家にいると家人がつけるので。あーなんかやだなー何を書いても空しいなあほんっといやさネットで読んだ限り中東関係の専門の人はさすがにおかしなことは言ってなかったけどあの何だっけ嶌ナントカって人とか「自分たちは別だと思ったんじゃないか」とか相変わらず自己責任論なんだろうかあれ。うわーやだなーテレビ見たくねえ。実家帰りたくねえ。アフガニスタンは危険だよそりゃあ情勢はどんどん悪くなってるよアメリカのおかげでな!そんなことあんた、彼は9.11以降にアフガン入りしたスタッフみたいだったけどペシャワール会自体は2001年よりずっと前からアフガンにいて、アフガンの少なくとも現在の情勢に関して最も詳しい日本の組織なはずであって、そんなこと重々承知してると思うんだぜ…

あーやだなーなんかやだなーあのさあ、思うんだけどさあ、そもそもアフガンでは現地の人が毎日すごくたくさん治安の悪化や飢えや病気で死んでるわけですがな。惨事が日常茶飯事なわけで、日本人だから特別安全なのかも日本人だから特別危険なのかもいう以前にアフガンの人たちと一緒に暮らしてたらアフガンの人たちと同じくらい危険なのは当たり前で、そんなことはわかってると思うんだよね。テレビでしゃべってる人に言われるまでもなくそんなことわかってんだよボケって話だったと思うんだよね。でもだからって死んでもいいと思って行ってるってことにはならないでしょ?だから自己責任でしょうがないとかいう発想になるのはおかしいでしょ?人は誰でもどこかで何かしらの形で死の危険に直面しながら生きているものじゃない。それでも死ぬために生きてるわけではないのであって。なんでそんなテレビでくっちゃべってるような人たちに仕切られる筋合いねーだろ。お前らそんなに偉いのかあああ!どうせあれだろお前らアフガン戦争の時は国の言い草に文句もつけずにそのあとアフガンがぐちゃぐちゃになってアメリカが戦争(ってあれを言うならな)した前と後でアフガンがどうなったかなんて、どうせ、何の興味もなく、何も調べも勉強も悩みもせずに自分たちの無責任放題な発言なんかきれいさっぱり忘れてたクチだろうこちとらあれのせいでどれだけこの七年間道に迷ったと思ってんだ言ってたら私怨が噴き出して止まらなくなってきた

人道支援がえらいからどうとか自己責任だからどうとかは私はどっちもくだらないと思いますけど、誰かがどこかに出かけて何かをすることについていちいち何か起こってからしゃしゃり出てきて仕切ろうとする連中には憎悪を感じずにはいられない。しみじみむかつくあいつらが憎い。まるで自分が喧嘩を売られたように憎い。

あーまたむかついて眠れない予感がする。

余力があったらもうちょっとお勉強してしゃべります

# by mloulou | 2008-08-28 19:14 | 日記

『マッピー』用ボーダー

コンパ

となりのやおいちゃんの三巻を読んでいて、「非モテの男子はどうして三国志が好きなんだろう」というセリフで思い出したのは学部生の時いた大学の同じ専攻の男子たちのことで、チェックの綿シャツ&メガネ率が非常に高かった上にどいつもこいつも口を開けば三国志がー三国志がーと抜かしてい、別に三国志好きでも全然構わないんだろうけど女性恐怖症なのか(女性嫌悪というべきなのか)女子に対してものすごく排他的であたかもその場にいないかのように扱われる事が多く、存在を認識するのは自分の自慢話を聞いてくれる女子だけというのが何よりムカつくしキモかった…でもあれらはたぶん男子の中でのヒエラルキーでもかなり最下層にいる人種なわけで、純粋に偏差値の問題なのか今いる大学の学部生にはそういう男子はおらず、みんな適度におしゃれで礼儀正しくて話題も豊富でコンパでお酒も飲まず面白いことも言えず隅っこで帰りたそうな顔をしている女子院生に対してもくだけた調子で料理を回してくれこっちの不適応ぐあいを程よくフォローしてくれたりもして…

でもやっぱり嫌なものは嫌だった、という感想。コンパの。行きたくなかったんですが、今年度大学院入学生への歓迎会でもあるわけで、断りきれなかったという。

きっとあの男の子たち、貴戸理恵が「「不登校のその後を生きる女性の語り」に向けて」で書いてたような人種なのだろう…有名大学の学部生にはこういう人たちがいるんだなと思いました。学部生の頃なら素敵と思ったかもしれないけど今となるとなんか空しいんだよね見てて…

だいたい女子の院生が「あたしも早くお嫁に行きたいんですけどねー」とか言ってみんなで笑うとかいうのがおよそ耐えられないわ絶対無理。論文をたくさん書いてグズな後輩の面倒もみて教師のいいつける雑用もこなして来月には海外留学に行くぜ!っていうようなバリバリの人こそがそういう事を言わなければならないような雰囲気っていうのは一体何なんでしょうか。あーきっと「え、お嫁?行きたいと思ったこともないし行く予定もないです」とか言ったらすごく傲慢なやつと思われてしまうから内心どう思っててもああ言うのが無難なんだろうなーと思いつつ、たぶん、絶対、言えない。


地球温暖化特集のビッグイシューは面白くなかったです。雨宮処凛の連載も無かったし…野宿とかプレカリアートとかから壮絶に遠くにある事柄のような気がするんだけど、エコって…

# by mloulou | 2008-07-18 18:55 | 日記

『マッピー』用ボーダー

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